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PLUTO 7 (ビッグコミックス)

PLUTO 7 (ビッグコミックス)
PLUTO 7 (ビッグコミックス)
浦沢 直樹
定価: ¥ 550
販売価格: ¥ 550
人気ランキング:
おすすめ度:
発売日: 2009-02-27
発売元: 小学館
発送可能時期: 在庫あり。

見果てぬ夢
亡き巨匠。手塚治虫氏の傑作に挑んだ俊英の再創作である。
 昔、原作を読んだときには主人公のアトムが泣いているところが、心に残った。
 大富豪の功名心が最強のロボットを求め、その実践に犠牲になるロボットたち。
 人間の我が儘で、仲間を失い。その憎むべき相手もロボットであることに、アトムはどうしようもないジレンマに泣いたのだろう。
 奴隷が主人の命令によって、闘技場で殺し合いをする、古代世界のモチーフを手塚先生はアトムで再現させたかった。愚かで、哀れみの欠片もない大富豪という主人に戦うことを命じられた奴隷というロボット。

 今日、浦沢氏は再創作という戦いに打って出た。その勇気と情熱が迸る想いの結実がこの本です。
  まさに、作者の本懐そのもの。クライマックスともいえる。(まだ、結末が残っているが)
  浦沢氏は手塚先生の”心”に向かって大胆に、繊細に立ち向かっていった。
  その結果、登場するロボットたちはあまりにも、愛すべき存在であり。天馬博士は悲しい父親で、ウランは最高に可愛い妹になれた。
  
  だが、それ故に私は彼らが余りにも遠い世界に、再度去ってしまったのをとても悲しく見送る。 どう見ても、人間の心を持った彼らは現実に、この世に創造することは不可能である。
  まさしく、見果てぬ夢の彼らの姿である。


地球が壊れる・・・手塚先生の心の奥底
沢山の人々とロボットの意志と哀しみが集約されていく展開。
そしてプルートゥと心に傷を負った少年の魂は等価値。

地球を救ってとのエプシロンの遺言・・・そしてアトム。


人々の哀しみが世界を破滅させるのかの暗示がこの巻でなされています。

思い出したのは機動戦士ガンダム「逆襲のシャア」の

・この暖かい人の心を持った人間が地球を滅ぼしていく
・こんな(人々の)哀しみが地球を押しつぶしていく

この二つの台詞でした。

ガンダムの富野さんはその昔アニメのアトムにも関わっていた人で
手塚さんとも深いつながりがありました。
もしかして手塚さんの作品に触れている、あるいは深く関わるうちに
富野さんも浦沢さんも手塚先生の心の奥に流れていた
「何か」に到達したのではないのでしょうか・・・。

最後あと一巻、
プルートゥと同じ哀しみを知ってしまったアトムとの対面を
怖いと思いながらも読んでみたいと思います。

浦沢直樹の漫画ならではの表現力
最強ロボット7体の中の1体だったエプシロンがプルートによって砕け散るコマがある。何十本という斜線の下に部品らしきものが散らばり「カリン」という小さな手書き文字の吹き出しでそのときの音を示している。そこに何ともいえない悲哀が感じられてならない。
このコマを見るだけで、いかに浦沢直樹氏が手塚治虫氏を含め多くの偉大な漫画作家の後継者に足りる存在かがわかる。漫画の持つ表現力をギリギリまで突きつめている人にしかできない技だと思う。

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